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障害年金社労士ブログ

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Ⅰ型糖尿病で仕事がつらい方へ|血糖コントロール困難で障害年金3級が決定した事例

Ⅰ型糖尿病と診断され、長年インスリン治療を続けている方の中には、毎日の血糖管理に大きな負担を感じている方が少なくありません。

低血糖や高血糖を繰り返すことで、強い疲労感が続いたり、集中力が保てなかったり、目の焦点が合いにくくなったりすることもあります。ときには意識がぼんやりする、急に体調が悪くなるなど、仕事や日常生活に大きな影響が出ることもあります。

それでも、Ⅰ型糖尿病の方ご本人が「自分は障害年金の対象になるかもしれない」と考えることは、実はあまり多くありません。

障害年金というと、精神疾患や肢体障害、難病、がんなどを思い浮かべる方が多く、「糖尿病で障害年金がもらえる」という情報にたどり着きにくいのです。

そのため、今回の事例は、Ⅰ型糖尿病で血糖コントロールが難しく、仕事や生活に制限が出ている方に、ぜひ知っていただきたい内容です。

【Ⅰ型糖尿病で障害年金を考えるきっかけ】

今回のご相談者は、50代の方です。

20代の頃から、異常な喉の渇き、頻尿、強い疲労感などを自覚するようになり、症状が続いたため医療機関を受診されました。

検査の結果、Ⅰ型糖尿病と診断されました。

当初は、食事療法や運動療法を続けていました。しかし、思うように改善がみられず、その後インスリン治療を開始することになりました。

Ⅰ型糖尿病は、自分の体の中でインスリンを十分に作ることが難しくなる病気です。そのため、日々のインスリン治療や血糖管理が欠かせません。

ただ、治療を続けていれば必ず安定するというものではなく、体調、食事、活動量、ストレス、仕事の忙しさなどによって血糖値が大きく変動することがあります。

ご相談者も、インスリン治療を継続していたものの、血糖コントロールが難しい状態が長く続いていました。

【長年の治療と合併症による生活への影響】

ご相談者は、Ⅰ型糖尿病の治療を続ける中で、合併症による白内障を患い、手術を受けたこともありました。

また、ばね指の治療を受けたこともありました。

糖尿病は、血糖値だけを見る病気ではありません。長く治療を続けている中で、目、腎臓、神経、手足、全身の疲れやすさなど、さまざまな形で生活に影響が出ることがあります。

ご相談者の場合も、日常生活の中で慢性的な疲労感がありました。

また、目の焦点が合わなくなることがあり、仕事や家事をするうえでも不安を感じていました。さらに、血糖値の変動によって意識障害が起こることもありました。

このような状態では、「仕事を続けたい」という気持ちがあっても、体が思うようについていかないことがあります。

決められた時間に出勤することが難しい。急な体調不良があるため、職場に迷惑をかけてしまうのではないかと不安になる。転職活動をしようとしても、どのような働き方なら続けられるのかわからない。

Ⅰ型糖尿病の方の中には、このような悩みを抱えながら日々を過ごしている方がたくさんいらっしゃいます。

しかし、血糖コントロールの難しさは、気合いや努力だけで解決できるものではありません。

治療を続けていてもなお生活や仕事に大きな制限が出ている場合には、障害年金の対象となる可能性があります。

【糖尿病による障害年金の認定基準】

ここで、糖尿病による障害年金の認定基準について確認しておきます。

糖尿病については、必要なインスリン治療を行ってもなお血糖コントロールが困難な場合、一定の条件を満たすことで障害等級3級に認定される可能性があります。具体的には、検査日より前に90日以上継続して必要なインスリン治療を行っていることなどが確認されます。

また、Cペプチド値、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群などの状態と、日常生活の制限の程度が重要になります。

今回の事例では、図にある3つの条件のうち、次の点が大きなポイントになりました。

1つ目は、90日以上継続してインスリン治療を行っていたことです。

2つ目は、随時の血清Cペプチド値が基準に該当したことです。

3つ目は、一般状態区分が「イ」または「ウ」に該当する状態であったことです。

この3つが確認できたことにより、障害等級3級の認定を受けることができました。

なお、障害年金の3級は、原則として初診日に厚生年金に加入していた方が対象となります。初診日に国民年金だった場合は、障害基礎年金の対象となりますが、障害基礎年金には3級がありません。

そのため、Ⅰ型糖尿病の障害年金では、「初診日がいつか」「その日にどの年金制度に加入していたか」も、とても大切な確認事項になります。

【見落とされやすいCペプチド値】

今回、特に注意が必要だったのは、随時の血清Cペプチド値でした。

Ⅰ型糖尿病の方にとっては重要な数値ですが、定期受診のたびに必ず検査されているとは限りません。

実際に、今回のご相談者も、直近のCペプチド値を把握されていませんでした。

障害年金の請求では、診断書に書かれる検査数値がとても重要です。ところが、必要な検査が直近で行われていない場合、診断書を作成してもらう段階になって初めて、「この数値がない」ということに気づくことがあります。

そうすると、追加で検査が必要になったり、請求の準備に時間がかかったりする場合があります。

もちろん、数値だけで障害年金が決まるわけではありません。

どのような治療を続けているのか。低血糖や高血糖による症状がどのくらいあるのか。日常生活でどのような制限があるのか。仕事をするうえで、どのような困難があるのか。

こうしたことを総合的に見て判断されます。

【仕事や就職活動の困難も大切な生活状況です】

Ⅰ型糖尿病の方は、見た目では病気の大変さが伝わりにくいことがあります。

外から見ると普通に生活しているように見えても、実際には、血糖値の変動に常に気を配りながら生活している方が多くいらっしゃいます。

食事の時間、インスリンのタイミング、低血糖への備え、急な体調変化への不安。

このようなことを毎日考えながら生活することは、とても大きな負担です。

仕事についても同じです。

長時間勤務が難しい。体調が安定せず、欠勤や早退が増えてしまう。集中力が続かない。低血糖が怖くて、接客や運転、責任の重い業務に不安がある。転職活動をしても、病気のことをどこまで伝えればよいのかわからない。

このような悩みは、障害年金の請求においても大切な情報になります。

「働けているから無理」と思い込む必要はありません。

障害年金は、まったく働けない方だけの制度ではありません。働いていても、病気によって生活や仕事に大きな制限がある場合には、対象となる可能性があります。

大切なのは、単に病名を書くことではなく、Ⅰ型糖尿病によって実際の生活や仕事にどのような支障が出ているのかを、具体的に整理することです。

【今回の事例で障害等級3級が認定された理由】

今回のご相談者は、20代からⅠ型糖尿病と診断され、長年にわたりインスリン治療を継続していました。

それでも血糖コントロールは難しく、慢性的な疲労感、眼の焦点が合わない症状、意識障害などがありました。

さらに、白内障の手術やばね指の治療など、合併症や関連する症状もあり、生活全体に負担がかかっていました。

障害年金の請求にあたっては、これまでの治療経過、現在の症状、検査数値、日常生活の制限、仕事への影響を整理しました。

そして、90日以上のインスリン治療、随時の血清Cペプチド値、一般状態区分の該当が確認できたため、障害等級3級として認定されました。

また、糖尿病の場合、症状や検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、3級よりさらに上位等級に認定される可能性もあります。特に、重い合併症がある場合には、眼の障害、腎疾患、肢体障害など、それぞれの認定基準も関係してきます。

そのため、「糖尿病だから3級まで」と単純に考えるのではなく、現在の状態を丁寧に確認することが大切です。

【Ⅰ型糖尿病で悩んでいる方へ】

Ⅰ型糖尿病の方は、子どもの頃や若い頃から治療を続けている方も多く、病気とともに生活することが当たり前になっている場合があります。

しかし、毎日の血糖管理、インスリン治療、体調変化への不安を抱えながら生活することは、決して軽い負担ではありません。

仕事が続かない。就職活動が思うように進まない。転職したくても体調面が不安。疲れやすく、家に帰ると何もできない。低血糖や意識障害が怖い。

このような状態がある場合、障害年金という制度を知っておくことは、とても大切です。

障害年金は、特別な人だけの制度ではありません。

病気やけがによって、生活や仕事に制限がある方を支えるための公的な制度です。

Ⅰ型糖尿病で血糖コントロールが難しく、日常生活や仕事に支障が出ている方は、まずご自身の状態が認定基準に当てはまる可能性があるかを確認してみてください。

特に、インスリン治療を長期間続けている方は、直近の血清Cペプチド値を確認することが、ひとつの大切な手がかりになります。

「糖尿病で障害年金がもらえるなんて知らなかった」

そのように感じる方にこそ、今回の事例が届いてほしいと思います。

社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
石井 要美

2026/05/27

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