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障害年金社労士ブログ

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障害年金を受給中の方へ|その等級は本来の障害状態に合っていますか?

【障害年金を受給中の方へ|その等級は本来の障害状態に合っていますか?】

障害年金のご相談を受けていると、ときどきこのようなお声をいただくことがあります。

「もっと早く石井先生に出会えればよかったです」

「本当はお願いしたかったのですが、もう障害年金をもらっています」

そのように言っていただけることは、とてもありがたく、嬉しいことです。

一方で、お話を詳しく伺っていると、専門家として少し気になることがあります。

どのような傷病や障害で請求したのか。

当時の障害状態はどの程度だったのか。

決定した障害等級は何級だったのか。

いわゆる遡及請求は検討されたのか。

診断書や病歴・就労状況等申立書には、実際の生活状況がどこまで反映されていたのか。

こうしたことを伺う中で、「もしかすると、本来はもう一つ上の等級で認定された可能性があったのではないか」と感じることがあります。

ご本人にとっては、「障害年金が受給できた」という事実だけで、まずは安心されていることが多いです。

もちろん、受給決定はとても大きなことです。

しかし、障害年金は「受給できたらそれで終わり」とは限りません。

本来の障害状態に合った等級で認定されているかどうかも、とても大切な視点です。

 

【障害年金は受給できたら終わりですか?】

障害年金は、受給決定が出れば生活の大きな支えになります。

そのため、年金証書が届いたときに「認められてよかった」と感じるのは自然なことです。

ただし、障害年金では、障害の状態に応じて等級が決まります。

障害基礎年金であれば1級・2級。

障害厚生年金であれば1級・2級・3級。

同じ傷病であっても、日常生活や就労への影響、支援の必要性、身体機能や精神状態などによって、認定される等級は変わります。

そのため、「受給できた」ということと、「本来の障害状態に合った等級で認定されている」ということは、必ずしも同じではありません。

たとえば、本来であれば2級相当の可能性があったにもかかわらず、3級で決定している場合があります。

また、本来であれば障害認定日時点にさかのぼって請求できた可能性があるのに、事後重症請求だけで進めている場合もあります。

もちろん、すべてのケースではありませんが、

それでも、障害年金は受給できたかどうかだけでなく、その方の状態に合った形で認定されているかを確認することが大切です。

 

【なぜ本来の等級とずれることがあるのか】

本来の障害状態と決定した等級にずれが生じる可能性がある理由はいくつかあります。

ご本人やご家族が日常生活の困りごとを十分に伝えられていないと、診断書に生活実態が反映されにくいことがあります。

また、ご本人が「できないこと」をうまく説明できない場合もあります。

病気や障害の状態を受け入れることがつらく、「できます」「大丈夫です」と答えてしまうこともあります。

精神疾患、発達障害、知的障害、高次脳機能障害などでは、ご本人が自分の困りごとを言葉にすること自体が難しい場合もあります。

さらに、病歴・就労状況等申立書の内容が簡単すぎる場合もあります。

障害年金は、審査する方がご本人の日常生活を直接見に来る制度ではありません。

提出された書類をもとに判断されます。

そのため、実際には大きな困難があっても、それが診断書や申立書に表れていなければ、審査上は伝わりにくくなってしまいます。

 

【初回請求で専門家に相談した方がよい理由】

障害年金の手続きは、ご本人やご家族だけで進めることもできます。

実際に、ご自身で請求して受給決定される方もいらっしゃいます。

そのこと自体を否定するものではありません。

ただ、初めての障害年金請求では、一度、専門家の意見を参考にしてから、自分で手続きするのか、専門家に任せるのかを選択してもよいのではないかと思います。

なぜなら、初回請求の進め方によって、その後の結果が大きく変わる可能性があるからです。

障害認定日請求ができるのか。

事後重症請求になるのか。

どの診断書の種類を使うのか。

日常生活や就労状況をどのように整理するのか。

こうした点は、初めての方にとって判断が難しい部分です。

一見すると、障害年金は書類をそろえるだけの手続きに見えるかもしれません。

しかし実際には、制度理解、医療機関との情報共有、生活状況の整理、認定基準の読み取りが必要になります。

「受給できればよい」ではなく、「本来の状態がきちんと伝わる請求をする」ことが大切です。

 

【後から見直せばよい、とは限りません】

障害年金について、「もし等級が低ければ、後から見直してもらえばよい」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、実務上は、後から見直すことが簡単ではないケースもあります。

受給後に障害状態が悪化した場合には、額改定請求を検討できることがあります。

ただし、これは「最初から本来もっと上の等級だったのではないか」という問題とは別です。

額改定請求は、基本的には、受給後に障害の程度が重くなった場合に等級の見直しを求める手続きです。

そのため、初回請求時点ですでに重い状態だったにもかかわらず、それが書類に十分反映されていなかった場合、後から必ず修正できるとは限りません。

決定直後であれば、不服申立てを検討できる場合もあります。

しかし、不服申立てには期限がありますし、初回に提出した書類を基に行う手続きです。

そのため、気づいたときには、当初の決定に対して争うことが難しくなることもあります。

だからこそ、初回請求の段階で、できる限り本来の障害状態が伝わるように準備することが大切です。

 

【脳血管疾患などでは特に注意が必要な場合があります】

障害の種類によっては、後から額改定請求をすることが難しくなる場合があります。

たとえば、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患による後遺障害です。

脳血管疾患の場合、一定期間の治療やリハビリを経て、症状固定と考えられる状態で障害年金の請求を行うことがあります。

その時点で、肢体障害などの状態をもとに障害等級が決定されます。

このとき、当初の診断書や申立書に実際の障害状態が十分に反映されていなかった場合、本来より低い等級で決定してしまう可能性があります。

その後に「やはりもっと重い状態だった」と感じても、症状固定後の状態としてすでに認定されている場合、明らかな悪化要因や新たな状態変化が確認できない中で額改定請求を行っても、上位等級が認められにくいことがあります。

これは、当事者の方にとってとても大きな影響があります。

ご本人やご家族は、制度の細かな違いを知らなかっただけかもしれません。

それでも、最初の請求で実態が十分に伝わらなかったことにより、後から見直すことが難しくなる場合があります。

だからこそ、脳血管疾患など、障害状態の評価時期や症状固定が重要になる傷病では、初回請求の前にできるだけ早い段階で専門家に相談していただきたいと思っています。

あとから「当時、もう少し早く知っていれば」と感じる方を、少しでも減らしたいからです。

制度の見通しや書類の整え方を事前に確認しておくことで、本来検討できた可能性を見落とさずに進められる場合があります。

 

【すでに受給している方が確認したいこと】

すでに障害年金を受給している方でも、確認できることはあります。

まずは、現在の等級がどのように決定されたのかを振り返ることです。

請求した当時の診断書は残っているか。

病歴・就労状況等申立書には、実際の生活状況が書かれていたか。

障害認定日での請求は検討されたか。

決定通知や年金証書の内容はどうなっているか。

現在の状態は、受給当初と比べて変わっていないか。

こうした点を確認します。

ただし、過去の決定については、時間が経っていると対応できる方法が限られることがあります。

そのため、「もっと早く相談していれば」と感じるケースもあります。

一方で、現在の状態が受給当初よりも明らかに悪化している場合には、別記事で扱う額改定請求を検討できることがあります。

大切なのは、「もう受給しているから相談してはいけない」と思わないことです。

受給している方だからこそ、今の状態と等級が合っているのかを確認する意味があります。

 

【本来の障害等級で受給するために】

障害年金は、病気や障害を抱えながら生活する方にとって、大切な生活の土台です。

だからこそ、受給できたかどうかだけでなく、本来の障害状態に合った等級で受給できているかという視点も大切にしていただきたいと思います。

初めて請求する方は、手続き前に一度、専門家の意見を聞いてみる。

すでに受給している方は、当時の請求内容や現在の状態を確認してみる。

脳血管疾患など、症状固定後の評価が重要になる傷病では、初回請求の段階で慎重に進める。

更新を迎える方は、診断書を提出するだけでなく、この数年間の変化を整理してみる。

こうした一つひとつが、必要な支援につながることがあります。

もちろん、すべてのケースで等級が変わるわけではありません。

過去の決定を必ず変えられるわけでもありません。

後から額改定請求をすれば、必ず上位等級になるわけでもありません。

だからこそ、最初の請求時に、できるだけ本来の状態が伝わるように準備することが重要です。

「自分の場合はどうなのだろう」

「この等級で本当に合っているのだろうか」

「これから請求する前に、一度確認しておきたい」

そのように感じた方は、一人で悩まなくても大丈夫です。

障害年金を受給できたことは、とても大切です。

そのうえで、本来の状態に合った等級で、安心して生活の土台を整えていくことも大切です。

必要な方が、必要な等級で、必要な支援につながれるように。

 

【こちらのページも参考に】https://syougainenkin.com/lp/01/

社会保険労務士/CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
石井 要美

2026/09/11

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