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障害年金社労士ブログ

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突然の脳出血で妻が倒れたら|障害年金と家族の暮らしを支える備え

本日は、突然の脳出血で妻が倒れたらというテーマでお話ししたいと思います。

これは、単なる制度のお話ではありません。

障害年金のご相談を通じて、私自身が強く考えさせられたこと。
そして、そこから実際に始まった地域での取り組みについてのお話です。

現在、私は横浜市青葉区にある訪問診療専門の青葉アーバンクリニック様と一緒に、ある活動を続けています。

それが、**「男の料理教室」**です。

この取り組みは、今から2年前に始まりました。
きっかけは、障害年金のあるご依頼者様との出会いでした。

【突然、奥様が脳出血で倒れたご相談】

そのご依頼者様は、奥様が突然の脳出血で倒れられた方でした。

脳出血の後遺症として片麻痺が残り、肢体障害として障害年金を請求したいということで、ご主人様がご相談に来られました。

そのときのご主人様の様子は、今でも印象に残っています。

突然、奥様が倒れたことへのショック。
これからの生活への不安。
介護や家事をどうしていけばよいのかという戸惑い。

そうしたものを抱えながら来られていたのだと思います。

お話を伺っていると、気持ちが落ち込まれているのはもちろんですが、ご主人様ご自身にも元気や体力があまり残っていないように感じました。

大切な家族が突然倒れるということは、ご本人だけでなく、支えるご家族の生活も大きく変えてしまいます。

障害年金のご相談では、障害の状態を確認することが中心にはなります。
けれど、実際には、その背景にあるご家族全体の暮らしまで見えてくることが少なくありません。

【肢体障害だけではなく、高次脳機能障害も見えてきました】

ご相談では、脳出血から現在までの経緯や、奥様の障害状態について詳しくお聞きしました。

当初は、片麻痺による肢体障害として障害年金を請求したいというご相談でした。

しかし、日常生活の様子を丁寧に伺っていくと、肢体障害だけではなく、脳出血による高次脳機能障害の症状も出現していることがわかりました。

高次脳機能障害では、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが見られることがあります。

一見すると、手足の麻痺のように外から見えやすい障害ではないため、ご家族も「これは障害年金の対象として考えてよいのだろうか」と迷われることがあります。

しかし、実際には、日常生活への影響がとても大きい場合があります。

この方の場合も、奥様は肢体障害だけでなく、高次脳機能障害についても障害等級に該当する程度に重い状態であると判断できました。

そのため、肢体障害だけで進めるのではなく、肢体障害と高次脳機能障害を合わせて請求する方法をご提案しました。

その結果、肢体障害2級相当、精神障害2級相当の併合により、障害等級1級の障害年金が決定しました。

【家事ができなくなることは、家族全体の生活に影響します】

この手続きの中で、奥様の日常生活の状況をご主人様に詳しくお聞きしました。

すると、肢体障害に加えて高次脳機能障害もあるため、認知障害、記憶障害、遂行機能障害などにより、家事がまったくできない状態になってしまったとのことでした。

それまで、ご主人様は家のことをすべて奥様に任せていたそうです。

料理、買い物、掃除、洗濯。
日々の食事の準備。
家族の生活を回していくための細かなこと。

それらを担っていた奥様が、突然できなくなってしまったのです。

ご主人様にとっては、奥様の病気や障害そのものへの心配に加えて、日々の生活をどう成り立たせるかという問題が一気に押し寄せてきたのだと思います。

特に大きかったのが、食事でした。

毎日の食事の準備がままならない。
ご主人様ご自身の食事も、お子様の食事にも影響が出ている。
何を作ればよいのかわからない。
台所に立つこと自体に慣れていない。

そうした状況をお聞きしながら、私は強く感じました。

食事は、毎日のことです。
そして、食事が整わないことは、障害を負ったご本人だけではなく、支えるご家族の体力や気力にも大きく影響します。

【老若男女問わず、簡単なご飯を作れることは大切です】

このご相談をきっかけに、私はあらためて思うようになりました。

老若男女問わず、日常の簡単なご飯を作れるようになることは、本当に大切だということです。

料理が得意である必要はありません。
手の込んだものを作れる必要もありません。
毎日きれいな献立を考えられなくてもよいと思います。

ただ、ご飯を炊く。
味噌汁を作る。
野菜を少し切る。
卵を焼く。
肉や魚を簡単に調理する。

そのような基本的なことが少しでもできるだけで、いざというときの生活の支えになります。

特に、これまで家事を配偶者に任せてきた方にとって、突然自分が食事を準備しなければならない状況になることは、大きな負担です。

病気や障害は、ある日突然起こることがあります。

脳出血も、そのひとつです。

昨日まで普通に暮らしていた家族が、突然倒れる。
生活が一変する。
これまで当たり前だった日常が、当たり前ではなくなる。

そのときに、「自分で少しでも食事を作れる」ということは、単なる家事能力ではなく、暮らしを守る力になるのだと思います。

【青葉アーバンクリニック様との出会い】

そのような思いを持っていたころ、青葉アーバンクリニック様には、クリニックに併設されたフリースペースがあり、キッチンも完備されているというお話を伺いました。

さらに驚いたのは、そのキッチンを作られた背景でした。

奥様が訪問診療を必要とする状態になったとき、これまで家事を奥様に任せていたご主人が、食事に苦労されることがある。

だからこそ、男性向けの料理教室を開催できるように、キッチンを備えた施設を作った。

そのようなお話を伺い、私が障害年金のご相談を通じて感じていたことと、青葉アーバンクリニック様の考えが重なっていることを感じました。

障害年金の仕事をしていると、制度の手続きだけでは見えない生活の課題にたくさん出会います。

お金のこと。
介護のこと。
家事のこと。
食事のこと。
ご家族の疲労や孤立。

そうしたものは、すべてつながっています。

だからこそ、障害年金だけで完結するのではなく、地域の医療機関や支援者の方々と連携しながら、暮らしそのものを支える視点が大切だと感じています。

【2年前から始まった男の料理教室】

こうした経緯から、2年前に男の料理教室が始まりました。

現在も毎月開催しています。

参加されている男性は、皆さん料理の超初心者でした。
年齢も70代以上の方が中心です。

最初は、包丁を持つことも少し不安そうだった方。
調味料の分量に戸惑っていた方。
火加減がよくわからなかった方。
「家ではまったく料理をしてこなかった」と笑って話されていた方。

そんな皆さんが、回を重ねるごとに、少しずつ、そして確実に腕を上げてこられました。

料理は、慣れの部分も大きいと思います。

最初はできなくても、何度かやってみる。
仲間と一緒に作ってみる。
失敗しても笑いながらもう一度やってみる。

そうしているうちに、「これなら家でもできそうだ」と感じられるようになっていきます。

その変化を見ていると、私自身もとてもうれしくなります。

【自分で作り、仲間と食べるご飯はおいしい】

男の料理教室では、単に料理を覚えるだけではありません。

自分で作り、仲間と談笑しながら食べる。
その時間そのものが、とても大切なのだと感じています。

参加者の皆さんも、自分で作ったご飯を食べながら、
「思ったよりおいしい」
「これなら家でも作れそう」
「みんなで食べると楽しい」
と話されます。

料理は、生活のための技術であると同時に、人とつながるきっかけにもなります。

高齢になると、家の中で過ごす時間が増え、人と話す機会が少なくなる方もいらっしゃいます。
その中で、月に一度でも外に出て、料理をして、誰かと笑いながら食事をする時間があることは、とても大きな意味があると思います。

食事は、身体を支えるものです。
同時に、心も支えてくれるものだと感じます。

【障害年金のご相談から、暮らしを支える活動へ】

障害年金は、障害によって生活や就労に制限を受けている方を支える大切な制度です。

しかし、実際のご相談では、年金だけでは解決できない生活の課題にもたくさん出会います。

今回お話ししたように、奥様が脳出血で倒れたことで、ご本人だけでなく、ご主人様やお子様の生活まで大きく変わることがあります。

障害年金が決定することは、もちろん大切です。
経済的な支えがあることで、生活の不安が少し軽くなることもあります。

けれど、それと同じくらい、毎日の食事をどうするか、介護するご家族が倒れないようにどう支えるか、地域の中でどうつながっていくかも大切です。

私は、障害年金の専門家として、制度の手続きを支援することはもちろん大切にしています。

それと同時に、1級ファイナンシャル・プランニング技能士として、そして地域で活動する社労士として、その方とご家族の暮らし全体を見ていく視点も大切にしたいと思っています。

【簡単な一品から、ぜひ始めてみてください】

男の料理教室に関する記事は、ぷわぷあ社会保険労務士法人のホームページ内の活動報告にも掲載しています。

ひとりで簡単に作れるレシピもアップしていますので、ぜひご参考にしていただけたらと思います。

料理は、特別なことではありません。
毎日の暮らしを支える、とても身近な力です。

最初から上手にできなくても大丈夫です。
包丁を使うのが怖ければ、キッチンばさみを使ってもよいと思います。
味付けが不安なら、めんつゆや味噌、ポン酢など、使いやすい調味料から始めてもよいと思います。

まずは、お味噌汁を作ってみる。
卵を焼いてみる。
野菜を炒めてみる。
缶詰を使って一品作ってみる。

そのくらいの小さな一歩で十分です。

突然の病気や障害は、誰にでも起こり得ます。
だからこそ、日常の中で少しずつ、暮らしを支える力を身につけておくことは、とても大切だと思います。

障害年金のご相談から始まった小さな気づきが、地域の中で「男の料理教室」という形になりました。

これからも、制度の支援だけではなく、暮らしを支える取り組みも大切にしながら、必要な方に必要な支援が届くよう活動を続けていきたいと思います。

【こちらのページも参考に】https://syougainenkin.com/lp/01/

社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
石井 要美

2026/05/13

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