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障害年金社労士ブログ

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障害年金は働いたらどうなる?就労と受給の考え方を障害年金専門社労士が解説

障害年金は働いたらどうなる?
就労中・就職後の判断ポイントを解説

「働いたら障害年金は止まってしまうのではないか」

これは、障害年金をこれから請求する方にも、すでに受給している方にも、とても多いご質問です。

特に精神障害では、就労状況が審査に影響することがあります。
そのため、不安なお気持ちになるのはとても自然なことです。

ただ、働いているという事実だけで、一律に結論が決まるわけではありません。

この記事では、障害年金専門の社会保険労務士として、また1級ファイナンシャル・プランニング技能士として、障害年金と就労の関係について、実務の視点を交えながら、できるだけわかりやすくお伝えします。

少しでも安心していただけるきっかけになればうれしく思います。

障害年金は「制度」だけではなく、「暮らし」と一緒に考えるもの

横浜を拠点に全国対応で障害年金のご相談をお受けしている中で、私がいつも大切にしていることがあります。

それは、障害年金を単なる制度や手続きとしてではなく、その方の暮らしや人生全体の中で捉えることです。

障害年金のご相談では、制度の説明だけで終わることはほとんどありません。

・今どのような生活をされているのか
・治療はどのような状況なのか
・働くことはできているのか
・ご家族の支えはあるのか
・これからどのように暮らしていきたいのか

そうしたことまで含めて考えていく必要があります。

だからこそ私は、障害年金の実務だけでなく、生活設計やお金の流れも見るFPとしての視点も大切にしています。

障害年金は、単に受給できるかどうかだけではなく、その先の暮らしをどう支えていくかという視点も大切な制度だと感じています。

今回は、その中でも特にご質問の多い、「障害年金と就労」についてお話ししたいと思います。

「障害年金は、働いたらどうなりますか?」という不安

障害年金をこれから請求しようとしている方からも、すでに受給されている方からも、共通してよくいただくご質問があります。

それが、
「障害年金は、働いたらどうなりますか?」
というものです。

このご質問の背景には、さまざまな不安があります。

・少しでも働いたら受給できなくなるのではないか
・アルバイトを始めたら更新で止まってしまうのではないか
・就職したことで、不利に見られてしまうのではないか

こうしたお気持ちは、決して特別なものではありません。
それだけ今の生活を大切に考えておられるからこその不安だと思います。

特に精神障害では、就労状況が審査に影響することがあります。

ただし、ここで大切なのは、働いているからといって、一概に不支給や支給停止になるわけではないということです。

この点を誤解してしまうと、本当は挑戦できるはずの就労に踏み出せなくなってしまうことがあります。

不安が大きいあまり、ご本人の可能性を狭めてしまうこともあります。

だからこそ、正しく知っていただくことがとても大切です。

大切なのは、「働いているか」ではなく「どのように働いているか」

障害年金の審査は、単純に「働いている」「働いていない」だけで判断されるものではありません。

同じ傷病名であっても、障害の状態や生活の実態は一人ひとり異なります。

たとえば精神障害では、

・どのような症状が続いているのか
・日常生活にどの程度の支障があるのか
・どのような仕事をしているのか
・どのような配慮のもとで働いているのか
・勤務時間はどの程度か
・対人関係や指示理解に困難があるのか

といった点が大切になります。

さらに、家族や支援者の支えの有無、通院や服薬の状況、これまでの病歴、症状の波、職場の理解の程度なども含めて見ていく必要があります。

つまり、障害年金において重要なのは、働いているという事実そのものではなく、どのような状態で、どのような支援や配慮を受けながら働いているのかということです。

一見すると働けているように見えても、その裏では大きな負担を抱えながら、やっとの思いで続けている方もいらっしゃいます。

そうした実態は、表面だけではなかなか見えません。
だからこそ、丁寧に状況を見ていくことがとても大切になります。

この見立てには、障害認定基準の理解だけでなく、経験値も大切になってきます。

これから請求する方へ
自己判断であきらめないでください

これから障害年金を請求しようとしている方の中には、
「今少し働いているから、自分はもう無理かもしれない」
と思い込んでしまっている方も少なくありません。

ですが、実際には、そのようなケースでも受給の見込があることがあります。

もちろん、すべての方が受給できるという意味ではありません。
ただ、自己判断だけであきらめるには早いことが多いのです。

障害年金は、個別事情の積み重ねで判断されます。

就労している場合でも、仕事内容、配慮の実態、日常生活上の支障、治療状況などを丁寧に整理することで、適切に審査へ反映できる余地があります。

ご自身では「これくらいなら大丈夫だろう」「働いている以上は難しいだろう」と思っていても、専門的に見ると別の見え方になることもあります。

そのため、どうか最初からあきらめずにいていただきたいと思います。

ご相談の際、私は単に「働いているかどうか」だけを見るのではありません。

・その方がどのような状態で日々を過ごしているのか
・働くうえでどのような困難を抱えているのか
・どのような支援があって成り立っているのか

そうしたことを丁寧にお聞きしながら、障害認定基準と経験に照らして、請求の方向性を一緒に考えていきます。

そのため、これから請求を考えている方にとっては、一度面談してみることには十分な価値があると感じています。

受給中の方に、まずお伝えしたいこと

すでに障害年金を受給されている方から、
「働いたら障害年金はどうなりますか?」
と聞かれたとき、私がまずお伝えしたい言葉があります。

それは、
「働けるというのは幸せなことですよ」
ということです。

障害年金を請求した頃は、働くことが難しいほど障害状態が重かった方も多いと思います。

あるいは、働いていたとしても、かなり制限のある中で、何とか続けていた方もいらっしゃるかもしれません。

障害年金は、そのような時期の生活を支える大切な制度です。

生活費の一部を補い、安心をもたらし、無理のない働き方を選ぶ余地をつくってくれます。

だからこそ、障害年金に支えられながら少しずつ前を向けた方もたくさんいらっしゃいます。

一方で、障害状態が本当に改善し、以前より働けるようになった結果として障害年金が停止するのであれば、それは人生全体の視点で見たとき、喜ばしい面もあるはずです。

もちろん、受給が止まることへの不安は現実的なものです。
それはとてもよくわかります。

それでも、「働けるようになること」自体は、本来悪いことではありません。

その方の回復や再出発の一つの表れであることもあるからです。

大切なのは、本当に改善したのかどうか

ここで非常に大切なのは、本当に障害状態が改善したのかどうかという点です。

仕事を始めた、あるいは続けているとしても、それだけで障害の程度が軽くなったとは限りません。

治療を続けながら、強い疲労や緊張の中で何とか勤務している方もいます。
周囲の特別な配慮があって、初めて働けている方もいます。
短時間勤務や業務内容の調整がなければ継続できない方もいます。

そのような場合、表面上は「働いている」と見えても、実際には障害年金を必要とする状態が続いていることがあります。

ご本人としては精一杯頑張って働いておられるのに、その頑張りだけが表に出てしまい、本来伝わるべき困難さが十分に伝わらないこともあります。

だからこそ、更新などの場面では、単に就労の有無だけでなく、

・治療状況
・症状の状態
・日常生活の困難さ
・職場での配慮や支援の実態

といったことが、きちんと審査に伝わることが大切です。

必要な状態にあるにもかかわらず、その実態が十分に反映されなければ、本来受けられるべき支えにつながらなくなることもあります。

働くことは、お金以上の意味を持つ

私は1級FPとして、お金の問題を現実的に見る視点も大切にしています。

生活を維持するためには収入が必要ですし、障害年金と就労収入のバランスをどう考えるかは、とても重要なテーマです。

ただ、仕事の意味はお金だけではありません。

働くということは、社会とつながることでもあります。
誰かの役に立つことでもあります。
毎日のリズムを取り戻すことでもあります。

そして時には、病気や障害によって揺らいでしまった自己肯定感を、少しずつ取り戻していくきっかけにもなります。

自分で働いて得た収入には、金額以上の意味を感じる方も多いのではないでしょうか。

たとえ短時間でも、たとえできる範囲の仕事であっても、少しでも働くことは、ご自身の未来への大切な投資になり得ます。

無理をしすぎる必要はありません。
けれど、ご自身に合った形で一歩を積み重ねていくことには、きっと大きな意味があります。

障害年金と就労は、対立するものではありません

障害年金を受けることと、働くことは、必ずしも対立するものではありません。

障害年金は、「働いてはいけない人のための制度」ではなく、障害によって生活や就労に制限を受けている方が、安心して暮らし、その人らしい人生を立て直していくための制度です。

だからこそ、必要な支えを受けながら、自分に合った形で社会参加を目指すことは、決して矛盾ではありません。

「働いたら障害年金はどうなるのだろう」
そんな不安がある方こそ、一人で抱え込まず、早めにご相談いただけたらと思います。

障害年金は、制度を知っているだけでは足りません。

実際の審査で何が見られるのか。
どのように伝えるべきか。
どこに注意すべきか。

そこには、実務の視点が必要です。

横浜を拠点に全国対応でご相談をお受けする中で、これからも私は、制度の説明にとどまらず、その方の人生にとって何が大切かを一緒に考える支援を続けてまいります。

どうか、お一人で悩みすぎず、必要なときにはご相談ください。

社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 石井 要美

2026/04/20

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