





障害年金の永久認定は取れる?更新との違いを社労士が解説
本日は、障害年金の永久認定についてです。
障害年金のご相談の中で、非常によくいただくご質問の一つに、
「障害年金の永久認定は取れますか?」
というものがあります。
障害年金を請求される方にとって、更新があるのか、それとも永久認定となるのかは、とても気になるところだと思います。
更新がある場合には、一定期間ごとに診断書の提出が必要になります。
そのたびに、「次も受給できるだろうか」と不安になったり、診断書の準備や手続きの負担を感じたりする方も少なくありません。
だからこそ、「できれば永久認定になってほしい」と思われるお気持ちは、とても自然なものだと感じています。
今回は、障害年金の永久認定について、実務の中で感じていることも含めて、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。
永久認定とは何か
障害年金には、更新がある場合と、更新がない場合があります。
このうち、更新がなく、今後定期的に診断書を提出しなくてよいものが、一般に永久認定と呼ばれています。
永久認定になると、その後は一定期間ごとの更新手続きが不要になりますので、ご本人やご家族にとっての心理的な負担は大きく軽くなることが多いです。
一方で、障害年金はもともと、障害の状態がどの程度続いているかを確認しながら支給される制度でもあるため、すべての方が永久認定になるわけではありません。
実際には、多くの傷病では更新があることが基本となります。
初回請求の時点で永久認定となることがあるケース
障害年金の初回請求の時点で、永久認定がされる状態というものもあります。
たとえば、
・人工関節や人工骨頭を挿入された場合
・四肢の切断、離断の場合
などです。
こうしたケースでは、障害の状態が明確であり、今後大きく改善することが見込みにくいことから、初回請求の段階で永久認定となることがあります。
このように、永久認定がまったく珍しいものというわけではありません。
ただし、こうした状態に該当するケースは限られており、やはり全体として見ると、多くの傷病では更新があることが前提になっています。
そのため、「障害年金=永久認定が取れるもの」と考えてしまうと、実際の結果との間にギャップを感じてしまうこともあります。
多くの方が気にされるのは、知的障害や精神障害で永久認定になるかどうか
ご相談者様から特に多いのが、
「知的障害や精神障害でも永久認定はされますか?」
というご質問です。
このご質問が多いのは、とてもよくわかります。
特に知的障害の場合は、ご本人やご家族としては、障害状態が今後大きく改善する見込みはないと感じておられることが多く、「それなら永久認定にしてほしい」と思われるのももっともだと思います。
実際に、日々の生活や支援の中で長く向き合ってこられたご家族ほど、そのお気持ちは強いのではないでしょうか。
「状態が大きく変わるわけではないのに、なぜ更新が必要なのだろう」
「何度も診断書を準備しなければならないのは大きな負担だ」
そのように感じられるのも自然なことだと思います。
知的障害であっても、更新となる方が多い印象です
ただ、実務の中で感じることとしては、知的障害であっても更新となる方が多いという印象があります。
ご家族からすると、改善の見込みがほとんどないように思える状態でも、実際の年金の取扱いとしては更新が付いていることが少なくありません。
この点は、制度上の運用と、ご本人やご家族の実感とが、必ずしも一致しない部分かもしれません。
精神障害についても同様で、やはり更新が付くケースが多い印象です。
精神障害は症状の波や生活状況、就労状況なども含めて見られることが多いため、永久認定ではなく、一定期間ごとに状態を確認する前提で判断されることが多いと感じます。
ですから、知的障害や精神障害で障害年金を請求される場合には、まずは更新があることを基本として考えておく方が、実際には自然かもしれません。
それでも、知的障害や精神障害で永久認定となるケースはあります
もっとも、ここで大切なのは、知的障害や精神障害だから絶対に永久認定にならない、というわけではないということです。
実際に、初回の障害年金請求で永久認定となったケースもいくつかあります。
また、就労経験がある方であっても、永久認定が取れているケースがあります。
さらに、初回請求の時点では永久認定ではなかったけれど、更新のタイミングで永久認定となったケースもあります。
このように見ていくと、永久認定になるかどうかは、単純に「知的障害だから」「精神障害だから」といった傷病名だけで決まるものではないことがわかります。
ご本人の障害状態、日常生活の状況、支援の必要性、これまでの経過、就労の実態など、さまざまな事情が重なったうえで判断されている印象があります。
障害年金の結果は、傷病名だけでは決まりません
障害年金のご相談を受けている中で、私はよく、障害年金の結果は傷病名だけでは決まらないと感じています。
これは、永久認定かどうかという点でも同じです。
同じ知的障害という診断名でも、日常生活の状況や支援の程度は一人ひとり異なります。
同じ精神障害でも、症状の現れ方や就労の状況、生活上の困難さはそれぞれ違います。
そのため、結果はどうしても個別の事案による部分が大きいのです。
ご本人やご家族としては、「この傷病なら永久認定になります」と、はっきりした答えを知りたいお気持ちがあると思います。
けれど、実際には、傷病名だけで一律に答えることは難しいことが少なくありません。
だからこそ、個別の事情を丁寧に見ていくことが大切になります。
大切なのは、結果だけでなく、そこに至る見立てです
永久認定を希望される方にとって、もちろん一番気になるのは最終的な結果だと思います。
ただ、実務の中では、その結果だけでなく、なぜその見込みになるのか、どのような事情が見られるのかという見立てもとても大切です。
初回請求で永久認定になる可能性があるのか。
今回は更新となる可能性が高いのか。
更新で永久認定に変わる余地がありそうなのか。
こうしたことは、障害認定基準の理解に加えて、実際の請求や更新の実務経験も踏まえながら考えていく必要があります。
ご本人やご家族だけで判断しようとすると、不安が大きくなったり、必要以上に期待してしまったり、反対に最初からあきらめてしまったりすることもあります。
ですから、気になる場合には、一度整理して考えてみることが大切だと思います。
気になる方は、ぜひご相談ください
障害年金の永久認定については、更新があることが基本となる傷病が多い一方で、知的障害や精神障害でも永久認定となるケースがまったくないわけではありません。
初回請求で永久認定となることもありますし、更新のタイミングで永久認定となることもあります。
そのため、「自分の場合はどうだろう」「うちの家族の場合はどうだろう」と気になる方は、ぜひご相談いただけたらと思います。
私はこれからも、制度の説明だけで終わるのではなく、その方の状況に応じて、できるだけわかりやすく、安心していただける形で支援をしていきたいと考えています。
永久認定という言葉に大きな不安や期待を抱える方も多いからこそ、傷病名だけで判断するのではなく、個別の事情を丁寧に見ながら、一緒に考えていけたらと思います。
社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 石井 要美
2026/05/01
- 障害年金社労士ブログ

